今回は土地の探し方として【買ってはいけない土地】についてお話しさせていただきます。
注文住宅を土地探しから始められる方はぜひご参考下さい。
土地は同じものは2つとなく、全ての土地に多種多様な個性があります。
そして注文住宅を建てる建築会社として日々様々な土地に出会う中で、「良い土地だな」と思う土地もあれば、「この土地はあまりおすすめしないな」という土地も存在します。
土地というのは高額な買物なので、ほとんどの方にとって一生に一度の買い物かと思います。やはり買った後に後悔はしたくないものですよね。
そこで今回は、注文住宅を建てる建築会社の視点から「買ってはいけない土地」について詳しく解説していきたいと思います。
「買ってはいけない土地」というのは、実は人によって違いがあります。
価値観が人によって違うように、土地の価値も人によって異なるからです。
たとえば、駅近や学校の校区、周辺環境といった立地条件を重視する方もいれば、家にお金をかけたいので土地はある程度妥協できるという方がいるように、土地の優先順位は人によって変わります。
駅近の土地を例に見てみると、駅の近くの土地は便利だと感じる方もいれば、騒々しくて治安も気になるという方もいるように、人によって土地の価値にはかなり違いがあります。
そのため、Aさんにとっては「絶対買ってはいけない土地」も、Bさんの場合は「場合によっては買う選択肢もある」というケースがあるのです。
とはいっても、やはり建築会社から見て買うのをやめておいた方が良い土地というのは存在します。
その買ってはいけない土地というのは具体的にどんな土地なのか解説しますね。
家の最大の役割として、大雨や台風、地震などの自然災害から家族を守るというというのは最低限必要な役割になります。
自然災害に怯えて暮らす生活になってしまうと、何のために家を建てたのか分からなくなってしまいます。
そのため、家族の安全を守るというのは家にとって最重要項目とも言えます。
ただ、どれだけ災害に備えた家にしたとしても、土地自体が災害に弱ければ被害を受けてしまいますし、最悪の場合は家族の安全を脅かすなんて事も起こり得ます。
そのため災害に弱い土地というのは、買ってはいけない土地の代表とも言えます。
災害の例としては、最近では毎年のように降る大雨、河川の氾濫というのはやはり注意しておきたいですし、地震の揺れやすさや断層なども注意しておきたい部分です。
そのため、土地を購入する前には必ずその土地のハザードマップや成り立ちについては確認しましょう。
崖など大きな高低差がある土地というのも、購入する場合に注意したい土地の1つです。
もっとも、基本的にはある程度の高低差がある土地を造成する場合は自治体が定めている造成工事を行なわなければならないため、当面の心配はまずありません。
ただし、その造成工事によって造られた擁壁は土地を購入した人の所有物となり、長い目で見るとメンテナンスも必要になってきますし、万が一崩れてしまった場合は土地所有者の責任となってしまいます。
そのため土地を購入してから当面は問題ありませんが、将来的にその高低差が重荷となってくる可能性があります。
また、たとえ自分の所有でなくとも、擁壁が隣接する土地によっては、「崖条例」といって家を建築する際に制限されてしまう場合があるので注意が必要です。
ちなみに、土地自体に高低差は無くても周囲より低い土地、高い土地というケースもあります。
周囲より低い土地の場合に気になるのは、やはり水はけです。
近年ゲリラ豪雨も増えており、水が溜まりやすい場所というのは避けたいところです。
できれば大雨が降った後に検討している土地を確認したり、近所の人に雨が降った後の状況を確認するなど、雨が降った際の状況把握を事前に行っておくと良いでしょう。
また、周囲より高い土地の場合、まず確認しておきたいのが「盛土」の有無です。
高くなっている土地を削って平らにした、ということであれば問題ありませんが、高低差のある土地を平にするのに、一部は削るけども一部は盛土をして平にする、というケースも多くあります。
「盛土」をした部分というのは、どうしても地盤が弱くなってしまいますので注意が必要です。
そのため、造成工事で平にした土地の場合は、どのように造成したのか造成図面を用いて説明してもらい、目で見えない土地の状況も確認しておくと将来安心でしょう。
土地は買ってすぐに家を建てられる土地もあれば、家を建てるために事前にお金をかけて工事をしなければならない土地もあります。
たとえば、環境もいいし価格もお手頃なのでお買い得な土地と思って購入したけれど、実は家を建てるために数百万円の費用がかかってしまう土地、というのもよくあります。
どうしてそんな事が起こるかと言いますと、不動産屋は土地の仲介をするのが目的です。
また、売主も土地を売るのが目的なので、お金をかけてすぐに家が建てられるような状態に土地を整備してから売りに出すというのはかなり稀なのです。
そのため、土地を購入する際には今後どれだけお金が掛かる土地なのかを調べる必要があります。
ですが、一般の方がこの部分を調べるのはかなり難しいものです。
そこでおすすめなのが、ハウスメーカーや工務店といった家を建てるプロと一緒に土地を見てもらう方法です。
そうする事で、家を建てるまでにどれくらいの費用が必要になりそうなのかが分かります。
たとえば、すでに水道などのインフラ(インフラストラクチャー)が引き込まれていればいいのですが、引き込まれていなければ相応の工事が必要です。
また、土地の大きさ、形、高低差などでも家を建てるために必要な費用に違いがありますし、家を建てるために必要な申請というのも異なります。
このような部分は家づくりに慣れていると見当がつくのですが、そうでない場合は工事費を含めて予想するのはかなり難しいものです。
最初からお金がかかることを分かっているのか、それとも土地を購入した後でお金がかかることが分かるのかで、家づくりの計画は大きく変わってくるかと思います。
建物にかけられるお金が著しく減ってしまうという事態にもなりかねません。
そうならないためにも、家を建てるために土地や土地の工事費用を含めてトータルでどれだけお金がかかるのか、この部分を知った上で土地を購入するというのが大切です。
土地の中には何年も売りに出されている土地というのも存在します。
そのような土地は何らかの問題を抱えている場合がほとんどなので、あまり手を出さない方が無難です。
一般的に売れ残る土地でよくある原因としては、価格が高かったり土地の広さが中途半端というケースが多いですが、その他にも原因がある事もあります。
たとえば、近隣とトラブルを抱えている土地であったり、土地に不明瞭な部分があったりなど、売れ残るのにはそれなりの理由があります。
そのため、何年も売りに出されている土地というのは一般の方向けというよりも玄人向けの土地ということになり、逆に言えばそんな玄人も中々手を出さないので売れ残っているとも言えます。
いつから売りに出されているのかは、基本的に掲載情報に明記されていますし、不動産屋に確認することもできます。
長い間売りに出されている土地を検討する場合は、その売れ残っている理由を全て明瞭にさせてから購入した方が良いでしょう。
「抵当権」をご存知でしょうか?
抵当権とは、住宅ローンなどを借りるときに、購入する住宅の土地と建物に金融機関が設定する権利のことです。
簡単に言うと、もし返済が滞ってしまった場合、この土地の所有権が返済に充てられる、といった内容です。つまり土地を失ってしまいます。
実はこの抵当権が設定されたまま販売されていることがあります。
この抵当権は、所有者関係なく「土地」に対して発動されます。
知らずに購入してしまい、ローンを借りた人が万が一返済できなくなった場合、購入したあなたの土地が失われてしまう可能性があるのです。
そのため、抵当権が消えるまで代金は絶対支払わないようにしましょう。
一般的に売られている土地は敷地境界がハッキリした土地がほとんどですが、稀に境界が曖昧な形で売りに出されている土地というのも存在します。
そして、この境界がハッキリしないというのは土地トラブルの定番です。
土地の境界がズレると数十万〜数百万円の違いが出てくるので、お互い譲らずトラブルに直結します。
そのため、土地を購入する場合は必ず境界がどこなのかをしっかり確認しておくことが重要です。
ちなみに、万が一境界がハッキリしていない場合は、売主に確定してもらうというのが基本。
また、古い土地の場合は境界の杭がどこにあるか分かりにくい時もあるので、後々トラブルにならないためにもどれが境界杭なのか見ておく、また画像など記録しておくのも大切です。
いかがでしたか?
今回は買ってはいけない土地について詳しくお話させていただきました。
土地というのは人生の中で何度も購入する物ではないので、今回のような情報を知っているか知らないかで土地探しの成功、失敗に大きく影響します。
そのため、今回ご紹介したような土地を検討する場合は注意すると共に、あなたの価値観に合った土地なのかどうか一度確認されてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。
最高のお家づくりとなることを心より願っております。
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