長期優良住宅という制度は、これまでの「建てては壊す社会」から「良い物を長く使う社会」に転換するために制定されました。
長期優良住宅に認定された住宅は、丈夫で住みやすいだけでなく、税制優遇や住宅ローンの優遇などのメリットがあります。
長期優良住宅とは、「長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅」のことです(国土交通省 公式サイトより)。
住宅を長期にわたり使用することによって、建て替えにかかる個人の費用負担を削減し、家の解体で排出される廃棄物を無くし環境への負荷を低減することができます。
より豊かで、より優しい暮らしへの転換を図ることを目的として、2009年に法律が施行されました。
長期優良住宅認定制度を活用すると、様々なメリットがあります。
長期優良住宅の認定を受けている家は、劣化対策や耐震性、省エネルギー性など、一定の基準をクリアしていることが明確です。
もし建てたお家を売却することになったとしても、その資産価値を明確に伝えることができます。
長期優良住宅に認定されると、「フラット35」の借入金利が優遇されます。
長期優良住宅借入開始から10年間金利が引き下げられる
一般住宅借入開始から5年間金利が引き下げられる
住宅ローンを組んで住宅を購入すると、所得税額控除を受けることができます。
一般住宅と長期優良住宅の大きな違いは、控除対象借入限度額です。
長期優良住宅5,000万円→年間控除額 50万円
一般住宅4,000万円→年間控除額 40万円
登録免許税とは、住宅を購入して所有権を登記する際に必要な税金のことです。
一般住宅と長期優良住宅では、次のように税率が変わります。
長期優良住宅不動産の価格に対して0.1%の税金
一般住宅不動産の価格に対して0.15%の税金
一般的な住宅と比較すると、長期優良住宅は控除額が100万円プラスされます。
100万円の控除額の差があれば、最大で3万円優遇されることになります。
長期優良住宅(課税標準額-控除額1300万円)×3%
一般住宅(課税標準額-控除額1200万円)×3%
長期優良住宅に認定されると、固定資産税にも減額措置があります。
減額の内容は一般住宅と同じですが、「減額期間」が異なります。
5年間の中では建物の評価替えがあるので、一般的に課税標準額は新築時より下がります。
標準額が下がると固定資産税も安くなるので、5年間でかなりの減額になります。
長期優良住宅軽減措置期間:5年間
一般住宅軽減措置期間:3年間
地震大国である日本で住宅を設けるなら、地震対策は必須です。
耐震等級3をクリアしている長期優良住宅の場合、地震保険料が最大50%割引されます。
最後に、長期優良住宅に認定される7つの条件をご紹介します。
耐震性 | ・耐震等級2以上である ・免震建築物である など |
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省エネルギー性 | ・省エネルギー対策等級4をクリアしている |
居住環境 | ・住宅を建てる地域にあった景観を保ち、地区計画や条例などに適合した家 |
維持保全計画 | ・長く優良な住宅を保つために、定期的な点検・補修等の計画がなされている |
維持管理・更新の容易性 | ・維持管理対策等級(専用配管)3をクリアしている(一戸建ての場合) |
劣化対策 | ・劣化対策等級3をクリアしている |
住戸面積 | ・75㎡以上の面積が必要 ・ひとつの階の床面積が40㎡以上ある (一戸建ての場合/地域によって差異あり) |
長期優良住宅は、環境に優しいだけでなく、税制の優遇や省エネなどで家計にも優しい家です。
また、長期間優れた状態で家を保てるので、子や孫にまで引き継いで長く快適に暮らすことができます。
※取得には別途申請が必要となります。