お家づくりをする上で、「家の性能」については気になるポイントですよね。
しかし、色々な建築会社で話を聞くと多種多様の意見や見方があり、またよく分からない新しいワードが出て来たり、
「 聞けば聞くほど分からない… 」
なんて思うことはありませんか?
「家」と言うのは様々な多くの要素によってつくられています。
また、会社によって考え方や価値観の違いもあるので、初心者からしたらこれまた厄介な部分ではあります。
よって、ひとくちに「性能」と言ってもその良し悪しの答えに差が生じてしまうのです。
これは、「家づくりにおいて何を優先するか」ということが重要になってきますので、どんなマイホームにしたいのか、どういったものを取り入れたいのか、と言う優先順位をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
今回はそんなお家づくりの中で欠かせない「3つの値」について解説します。
3つの値の前に、そもそも家の性能とは何があるのでしょうか?
例えば、
・地震が発生した際の「耐震性」
・火災の延焼を防ぐ「耐火性」や「防火性」
・物理的・化学的な影響に対する「耐久性」
他にも「防犯性」や「省エネ性」などが挙げられます。
その中でも住まう人にダイレクトに影響する「断熱性」について掘り下げていきます。
寒い冬になると、暖房をつけてもなかなか暖まらず、暖房の稼働も落ち着いているのに体感的に底冷えすることはありませんか?
それは、気温だけでなく冷たい外気が建物全体を冷やし、そして家全体までを冷やしていることが原因です。
更に、窓等からの隙間風があると家の中の熱が外に流出していることになります。
そこで暖房器具をフル稼働させることによって光熱費がどんどん高くなってしまいます。
地域にもよりますが、一般的に本土において1年を通した冷房や暖房等温度調にかかるコストは冬が1番高くなります。
ですので、断熱性を上げることは省エネにも繋がるということなのです。
寒い冬でも暖かく快適に過ごすためにも、
省エネ性を考慮しランニングコストを削減するためにも、断熱性に優れた家づくりを意識することが基本となってきます。
では、断熱性に優れた家とはどのような家でしょう?
「この素材を使えば断熱性に優れているので暖かいですよ」
と言われても、お試しに家を建てて住んでみることはできません。
そこで、数値によって誰にでもわかりやすく評価する指標が定められました。
それが断熱性能の「3つの値」です。
「 Q値 」 ・ 「 C値 」 ・ 「 Ua値 」という値で表されます。
いきなりQ値だC値だと言われてもよく分かりませんよね。
簡単に言うと、
Q値とUa値は断熱性能、C値は気密性能 を示す数字となります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Q値とは、熱損失係数のことです。
熱損失係数とは、室内外の温度差が1℃(1 K)のとき延床面積1 m2あたりに逃げ出す熱量のことです。
Q値 = 建物から逃げる熱量 ÷ 延べ床面積
つまりは、「熱量がどれくらい逃げにくい家なのか」がひと目でわかる数値なのです。
数値が小さいほど高評価です。
Q値が小さい家=熱が逃げづらい家=冷暖房の効率が良く省エネ性能が高い家だということがわかります。
しかし、延べ床面積で割るため、住宅の形状や延べ床面積の大きさで値が低く高評価となることがあるので、このQ値だけで断熱性を判断するのは危険です。
Ua値とは、外皮平均熱貫流率のことです。
外皮平均熱貫流率とは、建物の中と外の温度を1度と仮定したときに、住宅の内部から、外皮面積(屋根(天井)、外壁、床、開口部など)を通過して、外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した数値です。
Ua値 = 建物各部から逃げる熱量 ÷ 建物の外皮面積
これも簡単に言いますと、「熱量がどれくらい家の外に逃げやすいのか」がひと目でわかる数値です。
こちらも数値が小さいほど高評価となります。
Q値とUa値はともに断熱性能を表しますが、Q値のように住宅の形状や延べ床面積の大きさによっての数値にばらつきが出ないUa値は、より正確な断熱性を表す事が可能です。
ZEH(ゼロエネ住宅)の認定をするうえで、熱の逃げにくさや断熱性や気密性、省エネ性能を客観的な数値で判断できるようにしなければならなかったため、建物の大きさ形状に左右されないUa値は、2013年から省エネルギー基準を達成しているかどうかの基準となりました。
ちなみに、ZEH(ゼロエネ住宅)として認められるかどうかの基準は、地域ごとに若干の違いがあるものの、Ua値が「0.40~0.60以下」になっているかどうかです。
C値とは、相当すき間面積のことです。
相当すきま面積とは、住宅の気密性を表す数値で、隙間面積を延べ床面積で割って出した数値です。
C値=家全体の隙間面積の合計÷延床面積
「どれくらい家にすき間があるのか」を示した数値です。
こちらも数値が小さいほど高評価となり、すき間が少ない家=高気密な家であることになります。
温度・湿度・気圧は高い方から低い方に流れますので、いかに断熱性能の高い建材を使っていたとしても、すき間風が容赦なく吹き込んでくるような住宅だと、どれだけ冷暖房を使っても快適な室温にはならず、光熱費ばかり高くなってしまいます。
Q値、C値、Ua値は、住宅の断熱性能を判断するための重要な数値です。
これらの数値は、国土交通省によって地域ごとに基準が定められています。
埼玉県の基準値は、
【 Q値 】 2.7
【 C値 】 5
【 Ua値 】 0.87
となっております。
断熱性能を高めることで少しの熱量でも壁や床など家全体が温まります。
しかし、気温の高い地域と低い地域では必要な断熱性の高さは異なってきますよね。
冬でもそこまで気温が下がらない地域では、断熱性が高すぎると返って夏は暑い家となってしまう場合もあります。
そのため、国がその地域によって基準を定めているのです。
家の中の上下の温度差や各部屋の温度差が小さくなるので、どの部屋でも快適でかつ安全な暮らしが実現します。
C値・Q値ともに0.5以下のお家づくりに取り組んでおります。
0.5以下がどれくらいのすき間かというと、家全体のすき間を集めてもはがき0.5枚程度です。
実際は数値で計算できるもの以外にも、夏の強い日差しで屋根や外壁が熱を持つことや、窓から入る日射熱も、生活していくうえで快適に過ごすためは重要な要素となっていきます。冬には暖かさとしてメリットですが、夏はデメリットになるということも覚えておくと良いでしょう。
黒澤工務店では、Q値、C値、Ua値をふまえ、快適・健康・安心・省エネという観点から、暮らしの質を最高水準にまで高め、その違いを実感していただける「暮らし性能」を意識しております。
より断熱性能を強化した、スーパーウォールパネルとサッシ。また、計画換気システムが生み出す、高気密・高断熱・高耐震構造を兼ね備えた「スーパーウォール工法」の高性能住宅も取り扱いしております。
年間を通して過ごしやすい家を建てるために、どこにお金をかけ快適さを追求するのか、建築会社の担当の方と相談すると良いでしょう。
少し難しい内容でしたが、いかがでしたでしょうか?
最後までご覧いただきましてありがとうございます。
最高のお家づくりとなることを心より願っております。
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